未練

 

忘れられない人がいる。

思い出のまま何も変わらない

あの頃のままの彼が。

 

あれから1年と少し経つが

相手が今どこで何をしているか

そんなことは全くわからない。

 

あたしを好きでいてくれた、

あの頃のままの思い出を大事にしたいのか

知ることも、少しの怖さがある。

 

そして、向こうにとっても

あたしを思い出させたくはないし

あたしの今を知って欲しくない。

 

あたしは大層な夢見がちな女の子で

ドラマみたいな恋に憧れて

少しでもそんな感じな雰囲気になると

「この人と結婚する!」なんて思ってた。

 

きっといいお父さんになりそうな

そんな堅実な人だった。

 

 

この恋愛はいつか終わってしまうと

彼みたいな人にはきっともう会えないと

 

それがわかってたからこそ、

余計に熱く、苦しくなった。

 

自分の過去をいくつか話したが

表面的には受け入れてくれ

それが本当に嬉しかった。

 

今考えればきっと

援助交際だったりビッチなあたしを

軽蔑していただろうし

信頼できなかったと思う。

 

でも、それからあたしはただ彼だけを見て、

浮気も援助交際も一切しなかった。

 

裏切りたくない、信用させたい、

きっと本当に好きだからこそ

できたことだった。

 

彼はメンヘラが嫌いだと言っていたから

 

自分が鬱病だということ

自律神経失調症だということ

自傷行為を繰り返していること

発作が起きて過呼吸になること

母親が心身症で自殺したこと

 

これらをすべて隠し、

自分の事情を押し付けないよう努めた。

 

本当はそこで、打ち明けるべきだった。

 

苦しめたくない、背負わせたくない、

迷惑をかけたくないという思いが

自分を追い詰めるだけになり

相手に嫌われないよう嫌われないよう

機嫌を見て反応するだけの

そんな人間にあたしはなってしまった。

 

本当に申し訳ないと思っている。

 

 

だけども、感謝もある。

最終的には堕ちてしまっているが

あたしを変えてくれたのは彼だ。

 

彼があのとき、感情任せで出た言葉だとしても

「来てくれ」と言わなかったら

あたしは行かなかっただろう。

 

待っていてくれる人がいるからこそ

あたしは頑張れていたし、

たくさん喜ばせたいと思っていたし

幸せだった。

 

全ての通信手段を断ち切られた状態が

未だに続いている意味、考えなくてもわかっている。

 

 

幸せになって欲しいし、幸せにしたかった。

あたしはもう会う資格もないし

子どもも産めない体だし、

家庭の幸せも知らない。

 

あたしでは、できない。

 

彼を好きになった理由、

最後答えられずにいた。

 

未だにわからない。

ルックスもスタイルも良かったけど、

なんなんだろう、

優しい目だったり、笑った笑顔だったり

大きな手だったり

甘えたで寂しがり屋だったり

計画的で努力家だったり

器用で家族思いで、自分をしっかり持ってて、話も楽しかった。

 

後付け理由かもしれないけど

とにかく、好きだった。

 

彼のことは、1日たりとも忘れないだろうし

彼に似た人は未だに目でおうし、

また、同じような人をすきになるかもしれない。

 

愛しています。

 

ありがとう。